失敗−
なにかをやって失敗したりすると、その失敗したことにこだわってくよくよ悩んだり考え込んだりするものだ。
そんなことはいっさい気にしちゃだめなんだよ。
悩んだり考えこんだりする時間があったら、もう1度その失敗したことをまったく新しい気持ちでやってみるんだ。
どんなことがあっても、自分がまちがっていたとか、心をいれかえるとか、そういう卑しい変節をするべきではない。
一見、謙虚に見えて、それはごま化しであるにすぎないのだ。
ありのままの自分−
こんなに弱い、なら弱いまま、
ありのままで進めば逆に勇気が出てくるじゃないか。
もっと平気で、自分自身と対決するんだよ。
職業−
絵は好きだったが、ただの絵描きになろうとは思わなかったな。もっと自由に生きたい。何か、ほんとうに自分らしく。ぼくは自分の仕事というか職業を狭く決めてしまうのは、どうも面白くなかったんだ。絵にしろ、彫刻にしろ、文章でもテレビでも、それを売って食うためにやるなんてことは空しいと思うんだ。だからぼくはあらゆることをやるけれど、職業じゃない、人間として、言いたいことを言う、やりたいことをやる。収入はそれについてくることもあるし、こないこともある。勝手にしやがれだよ。
『強く生きる言葉』岡本太郎(イーストプレス)
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